松山文創園区(台北市信義区)で3月26日、「2026 燕三条工業・工芸文化交流展(IN BETWEEN VISIONS)」が始まった。3回目となる今回は「心の共鳴」をテーマに掲げ、過去最大規模となる18の日本ブランドが出展する。
松山文創園区で「燕三条工業・工芸文化交流展」 巨大・鍔薬罐も台湾初公開
新潟県燕三条地域は400年以上にわたり金属加工業が発展してきた地域で、世界的にも知られる「ものづくり」の産地。同展は燕三条貿易振興会と台湾の徳貿、●樹設計、鈑研所の共同企画により、燕三条の技術と精神を台湾の生活者に伝えることを目的に開催する。(●は喜を2つ並べた漢字)
会場では、無形文化財に指定されている「玉川堂」が手がけた史上最大の水つぼ「鍔薬罐(つばやかん)」を台湾初公開。2025年大阪・関西万博のために作られたもので、容量は260リットル、直径は通常の約4倍、体積は64倍に及ぶ。
出展ブランドは、アイデアセキカワ、アネックスツール、角利製作所、玉川堂、conte、下村工業、スリーピークス技研、高儀、トップ工業、ホリエ、マルト長谷川工作所、村の鍛冶屋、山崎金属工業などに加え、ツボエ、藤次郎、諏訪田製作所、アルチザン、燕物産の5社が初出展。
期間中は展示に加え、17種のワークショップや6つのトークイベントも連日開催。滝沢亮三条市長と台湾の著名投資家である謝金河さんによる「地方創生」をテーマにした対談をはじめ、ミニ盆栽制作や樹脂アクセサリー制作など、来場者が自ら手を動かして職人の技を体感できるプログラムを用意する。
燕三条貿易振興会会長を務めるマルト長谷川工作所の長谷川直哉社長は「2年前の初開催時は12社だったが、今回は18社に増え規模が拡大した。当展は単なる展示ではなく、工場の空気感まで感じてもらえる場。展示物を見て、触れて、燕三条の空気を吸ってほしい」と話す。燕三条のものづくりは現在、35カ国・88地域に展開しており、三条市立大学と台湾の亜州大学、逢甲大学との交流も進めている。燕三条地場産業センターには台湾から毎月50~60人規模の団体が訪れているという。
滝沢市長は「過去2回が盛況だったと聞いていたが、平日にもかかわらず多くの来場者が並んでいる様子を見てうれしい。燕三条を訪れるインバウンド客の約半数が台湾人であり、こうした場で実際に製品に触れてもらえることは意義がある。地域には酒や食といった魅力もあるので、次回は現地で会えれば」と話す。
初出展した諏訪田製作所営業部チーフの水沼樹さんは「台湾では4~5年前からクラウドファンディングを通じて販売を行ってきた。ニッパー型爪切りやステーキナイフが人気で、今回も多くの商品を持ち込んだが、初日から完売する商品も出ている」と話す。会場では工場の廃材を活用した「メタル盆栽」を制作する体験プログラムも展開する。
会場内の「小食市集(軽食マーケット)」では燕三条の食文化も紹介。村の鍛冶屋のホットサンドメーカーを使ったメニューや、玉川堂のコーヒーポットで提供するコーヒーなどを販売するほか、新潟の郷土料理をアレンジした料理も提供する。
開催時間は、26日・29日=10時~18時、金曜・土曜=10時~20時。入場料は、280台湾ドル。今月29日まで。