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AKB48TeamTP海外グループ初となる日本人センターの藤井麻由さんと在籍日本人アイドルにインタビュー

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AKB48の公式姉妹グループ「AKB48 Team TP」は、台北を中心に活動する台湾のアイドルグループ。主なメンバー構成を台湾出身者が占めるなか、現在3人の日本人メンバーが在籍している。今回、初めて日本人メンバーがセンターを務める「無根無據RUMOR (根も葉もRUMOR)」MV公開を記念して、藤井麻由さん、小山美玲さん、宮田留佳さんの3人に編集長の秋山がインタビューした。

AKB48という日本では代表的アイドルグループの海外姉妹グループに属する日本人が見る景色とは。
日本との違いや台湾生活のこと、挫折、そして今後の夢や展望などを聞いた。

秋山:まずは自己紹介と台湾に来たきっかけを教えてください。

藤井:藤井麻由です。ダンスと、猫と遊ぶことが大好きな23歳です。高校2年生の時に5日間台湾に短期留学に来て台湾の魅力に触れ、高校3年生の時に日台交流イベントに参加したことなどがきっかけとなり台湾の大学への進学を希望し、留学生として台湾にやって来ました。

小山:小山美玲です。福岡県出身の20歳です。おばあちゃんが台湾人です。中学2年生の時に家族で台湾に旅行に来た際に台湾っていいなと思っていたところ、日本に戻ってきてから数カ月後に、このチームの1期生の応募を知り、オーディションに合格して台湾に移住しました。

宮田:宮田留佳です。山梨県出身で、4歳の時に父の転勤で台湾に来て今年で22年目です。小学校と中学校は台北日本人学校を卒業し、高校から台湾現地の学校に進学しました。父の体調不良で日本に帰れないとなった頃にちょうど、このチームの2期生の応募を見かけて今に至ります。

文化について
秋山:台湾に来る前のイメージと、実際に生活して驚いたり気づいたりした文化や生活の違いはありましたか?

藤井:たくさんあります。留学時代、最初に淡水地区に住んでいましたが湿気、雨、風、台風に驚きました。
傘が壊れやすいので高い傘を買ってみたものの翌日に壊れてしまったり、洪水で道路に魚が泳いでいたり、これが今後ずっと続くのかと思うと不安でいっぱいでしたが、その年が特に酷かっただけで今は平気です。

小山:話し方が直接的で、聞き返す時に「は?」と言われるのも最初は慣れなかったです。
生活習慣の面では、今は台北でおばあちゃんと暮らしているのですが、トイレットペーパーを流してはいけないのに、つい習慣で流してしまっていました。MRT内では飲食禁止で電話はOKという日本と違うルールなので、日本に帰って電車に乗ると静かだなあと感じました。

宮田:台北は特に交通が便利だと思いますが、バスは手を上げないと止まってくれないし、危ないですね。

秋山:アイドル活動の面ではどうですか?

藤井:台湾人のファンの方が日本語でコールをしてくださったり、日本語を勉強して話してくれたり、とにかく日本愛がすごいです。

小山:AKBの伝統の「タイガー!ファイヤー!」と続く有名なコールがありますが、それを日本語でやってくれます。

藤井:「やっと巡り会えたお姫様」など、日本語話せない人が勉強して言ってくれるので感激しています。

最近の仕事について


秋山:最近の仕事について伺います。今回の新曲「無根無據RUMOR (根も葉もRUMOR)」で藤井さんがセンターを務めたと伺いました。おめでとうございます。

藤井:会社と、ファンの皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。AKBの海外姉妹グループで日本人メンバーがセンターを務めるのは初めてだということで、とても光栄です。もともと日本の先輩のオリジナルの「根も葉もRUMOR」が大好きでした。今回のMVを通して、人に希望を与えられたらいいなと思っています。
最近は台湾のテレビ番組にもたくさん出演させていただいています。台湾に来た当初からテレビに出るのが目標でした。すごい先輩ばかりで不安でしたが、一年たって最近ようやく楽しめるようになりました。今後もいろんな番組に出演させてもらいたいです。言葉の面では、しゃべっても誤解させてしまうことがあり、ライブ配信でファンの方に言い方を教えてもらいながら努力しました。

秋山:小山さんは、今回の新曲の選抜メンバーに選ばれたそうですね。

小山:はい、私は今回初めて選抜メンバーに選ばれました。台湾では日本とメンバーの選抜方法が違って、毎回曲が出る度にオーディションがあります。これまで頑張ってきたことを伝える面接や、ダンスの振り付けが毎回オーディションで見られます。私はチームに加入してそろそろ4年たつのにまだ選抜入りしたことがありませんでした。私がTPに入るきっかけはおじいちゃんが見つけて教えてくれたからなのですが、オーディション中におじいちゃんが入院してしまいしゃべれなくなってしましました。私はこのグループに入るためにわざわざ台湾に来たのに、これで選抜に入れないまま日本に帰るわけにはいかないし、今回はもし受からなくても後悔しないように本気で頑張りました。選抜に入らなければと思うと眠れなくなってしまい、夜中の3時に起きて公園で練習し、これでもし選ばれなくても後悔はない、という状態で選抜オーディションに臨みました。

藤井:努力を知っていたので、選抜メンバー発表の際に小山美玲の名前が出た瞬間、涙が止まりませんでした。

秋山:宮田さんは、最近ライブ配信でのカバーがバズったと話題になっているようですね。

宮田:はい、ライブ配信を週に3回くらいしていて、その中で歌うことがあるのですが、その一部をファンの方が切り抜いて動画を作ってくれ、それがバズったようです。ファンの方が、「自分の好きな留佳ちゃんを他の人にもみてほしい」と宣伝までしてくれて、愛を感じます。この動画により、TPのファン以外の方にも聴いてもらえたのがうれしかったです。最近は、舞台劇のお稽古も頑張っています。

今後について
秋山:今後台湾でどんなことにチャレンジしていきたいですか?

藤井:私は、現在自称台湾観光大使として日本を台湾の人に知ってもらえるような架け橋になりたいと思っていて、将来は台湾認定の観光大使になれればいいなと思っています。先日も日台フルーツ夏祭りの司会をさせていただきました。このような活動が増えるといいですね。

小山:私は、TPの活動以外では女優業をやりたいです。高校では演劇科に通っていたので、チャレンジする機会があればいいなと思っています。

宮田:私は、今仕事を通して普通の女の子ができない体験をさせてもらっているのがすごく楽しくて、特に先日3人で日本語教材のアフレコをしたのが楽しかったので、またできればいいなと思っています。21年間台湾に住んでいるので、台湾の方に恩返しをしていきたいです。

台湾でのアイドル活動
秋山:台湾でアイドルになって良かったなと思うこと、一番大変だったことを教えてください。

藤井:ファンの方に出会えたことが一番良かったと思うことです。私のことを応援してくれる人がいるって、すごいことなんだと、頂いた手紙を読みながら感じています。この仕事をしていなければ自分にファンがつくなんてありえないことなので、いつもファンの方々のおかげで頑張ろうと思えます。大変だったことはしゃべれなかったことです。

小山:間違えることが怖くて私もなかなか話せませんでした。笑顔にもなれず、聞いているのに聞いていないと思われたり、やる気がないと思われたり、辛かったです。私は中学卒業後すぐに台湾に来たので、社会に出たこともなく、社会での礼儀も分からないなかでの台湾での活動はすごく大変でしたが、今思うと早いうちから学べて良かったです。私もファンの方がいなかったら何もできなかったと思うのでファンの方との出会いが台湾でアイドルになって一番良かったと思うことですね。

宮田:私は、仕事のモチベーションが「ファンの人に会えること」です。頑張ったのに結果が出なかった時には努力を否定されたような気持ちになるけど、うれしい時も悲しい時も支えてくれるファンの方のおかげで、結果が出るまで頑張りたいと思います。

AKB48 Team TPの魅力


秋山:最後に、AKB48 Team TPのどんなところが魅力だと思いますか?

藤井:すごく魅力にあふれています。かわいいだけじゃなく、かっこいい子、面白い子、それぞれいろんな個性があります。ビジュアルも、台湾人メンバーは顔面偏差値が高いうえに、どんどんどんどんかわいくなっていっています。原住民のメンバーは特に足が長くて、とてもきれいなんです。

宮田:台湾人以外のメンバーだとマカオ出身の子もいて多様性があります。

小山:他の外国の姉妹グループに比べて日本語を話せるメンバーが多いので、日本のファンの方が応援しやすいと思います。メンバー全体の過半数が日本語を話せますし、中にはすごく流ちょうに話せる子もいます。あなたの推しが絶対に見つかると思います。ぜひ日本の皆さまも応援、よろしくお願いします。

秋山:藤井さん、小山さん、宮田さん、本日はお忙しい中ありがとうございました。今日お話を伺って3人の方の台湾の地に懸ける思いや熱量のようなものを強く感じました。またファンをとても大切にされているところや、ファンとのコミュニケーション手法などをお聞きし、改めて「AKB48ってファンと共に生きてるんだなぁ」と、国境を超えても、そのAKB48ならではのスタイルが引き継がれていることを再確認しました。学生時代を思い出すような、そんな懐かしい感じのするチームワークやあうんの呼吸を3人から感じ、大変感激しました。台湾に住む日本人として、引き続き今後の活躍を応援しています。

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