オンライン調査会社「東方線上(東方オンライン)」消費者研究グループがコロナウイルスにより影響を受けた消費者の購買意欲について調査結果を発表した。
調査期間は4月29日~5月28日。調査対象者は20~59歳の東方オンラインのウェブ会員1000人。対象者の内訳は男女比1対1、年齢層は20~29歳、30~39歳、40~49歳、50~59歳で1対1対1対1、エリアは台湾国内の北部、中部、南部で5対2対3。
調査結果は、コロナ後の消費者の購買意欲について、コロナの最中であった2月から5月にかけて4カ月連続で低下した。同時にデリバリーサービスの利用率においても2月は過去最高の35.6%に対し5月は29.9%で、4カ月連続で下降した。デリバリー市場については、企業からの新しい販売促進案がない限り、既存の消費者が再利用するのみで、デリバリー業界の利用者は飽和状態になると結論づけている。
コロナ期間の食事スタイルの変化に伴い、各デリバリー業界が多くの消費優待サービスを導入した。消費者の約90%がデリバリー関連のニュースを耳にし、約70%が実際に利用。元々テークアウトサービスがあった店の方が消費者の注目をより多く集め、実際にテークアウトの割引特典を使った割合は44%と最も高く、比較的高いプロモーション効果を促進した。
消費者の新商品に対する関心を調査した結果は、日常掃除用品・家庭用洗剤・ビューティーケア用品は前年同期に比べると共に10%減少。同様の傾向はブランド業界でも起こっており、消費者は聞いたことがないブランドに対しての購買意欲は下降傾向にあり慎重な姿勢を示している。それに伴い、コロナ後に求められる企業戦略に対して消費者の関心が高まっている。「ブランドの枠を超え、消費を促すような優待イベント、クーポン券の発行を期待する」と回答した人は41%と最も高かった。
こうした中、消費者の消費拡大を促進する働きとして台湾政府の行政院は6月、「振興三倍券」と呼ばれる振興券を発行すると発表。中華民国国籍を持つ国民、在留資格(居留証)を持つ外国国籍配偶者や中国籍配偶者であれば1人1セット受け取ることができ、1人当たり1,000台湾元を自己負担することで、その3倍となる3,000台湾元の消費が可能となる。使用期間は7月15日~12月末。
一方、コロナの影響で在宅時間が増えたことにより、台湾で新しいコミュニケーションツール「Telegram」の使用率が勢いを増している。29歳以下の使用率が比較的高いものの、30~39歳、40~49歳でも共に一定の利用率がある。男性利用率は16%、女性利用率は8%と男性の利用率が多い結果になった。
国内ユーチューバー人気ランキングにもコロナの影響が反映された。4月と比較すると、5月ランキングには大食い動画を数多く投稿している「大蛇丸」が16位上がり9位となり、消費者が在宅中の楽しみである食事に関して関心が高くなったことが顕著に。一方、先月7位にランクインした台湾の国営テレビ局チャンネル「眼球中央電視台」は8位下がり15位となった。台湾で新たに確認されたコロナウィルス患者が59日間(6月11日時点)ゼロを記録していることを受けて、YouTubeで状況を常に確認するという習慣が徐々に落ち着いてきたことが分かる結果となった。