「中華圏のグラミー賞」と称される「金曲獎(ゴールデン・メロディー・アワード)」の授賞式が10月3日、台北流行音楽中心(南港区)で行われた。
金曲獎は1990年に始まり今回で31回目(初年に2回開催)。中華民国文化部が主催し、中華圏の音楽シーンに大きな影響力があり、最も栄誉ある賞といわれている。
元々6月27日に開催予定だったものがコロナ禍の影響で10月に延期。会場も変更され、8月末に開幕したばかりの台北流行音楽中心で執り行われた。
テレサ・テンの「時の流れに身をまかせ」やジュディー・オングの「魅せられて」、美空ひばりの「リンゴ追分」など日本の往年の名曲に中国語や広東語の歌詞を織り交ぜて60年代風にアレンジした8曲を収録するアルバム「愛的呼喚」で最優秀マンダリンアルバム賞を受賞した王若琳さんや、人気バンド「蘇打緑」のボーカルで、バンド活動休止中にソロデビューした呉青峰さんなども注目を集めたが、大賞は最優秀原住民言語アルバム賞を受賞したパイワン族の歌手阿爆さんの「kinakaian 母親的舌頭」が受賞した。
この他、台湾で長年にわたり活動する日本人ギタリスト、大竹研さんの作品「Okinawa」がインストゥルメンタル部門で最優秀作曲賞を受賞、演奏個人賞では坂本健志さんがノミネートされるなど日本人の活躍もあり、音楽界の多様化を見せた。
授賞式はテレビ生中継のほか、オンラインライブ配信や専用アプリ「GMA 2020」等で、視聴者がさまざまな角度から楽しめる工夫が施された。