今年で5周年を迎えた忠泰美術館(台北市大安区)で現在、「Drawing Ambience: Alvin Boyarsky and the Architectural Association」「場所・インスピレーション――隈研吾展」の2つの国際建築展が開催されている。
台北市中心部に位置する忠泰美術館は、台湾で初めて「未来」と「都市」をテーマとした美術館。2016年の開館以来「都市」をテーマに現代アートや建築の展示、イベントの企画を行い、多くの世界的な建築展を開催してきた。
「Drawing Ambience: Alvin Boyarsky and the Architectural Association」は12月5日までの開催。AAスクール(英国建築協会付属建築学校)元校長アルヴィン・ボヤスキーが、1971年~1990年の校長在任中に行った、学校経営理念に基づく教育、展示、出版等のプロジェクトを通じ、いかにして同校から数多くの著名な建築家を一躍世に輩出するようになったのかを紹介する。「サマーセッション」「欧州急進派」「ドローイングの雰囲気」「ドローイングの実践」「モダニティーの再考」「歴史の再考」の6つのテーマを設ける。アジア初公開となる、レム・コールハースやザハ・ハディッドなどの国際的な建築界の巨匠が新鋭だったころに描いた原画をはじめ、ドローイング、AAの絶版出版物、紙資料など、アルヴィン・ボヤルスキーの約100点の個人コレクションを展示する。
2021オフサイト・プロジェクト「場所・インスピレーション――隈研吾展」は、世界的に有名な日本の建築家、隈研吾さんを招き、9月12日まで個展を開催する。隈さんが手掛けたカルチャー施設の中から「早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー)」「東工大 TAKI PLAZA」「GCプロソミュージアムリサーチセンター」、フィリピンの「祖先の知恵博物館」、スコットランドの「V&A Dundee」、デンマークの「ハンス・クリスチャン・アンデルセン博物館」の6点の作品を展示する。今回の個展のために新たに制作した屋外インスタレーション「折箱」(Oribako)は、日本の伝統的な折り紙文化と茶の文化を取り入れ、日本の伝統文化と台湾のローカルシーンの対話・交流を試みる。
隈さんは「自分の創作スタイルを場所に押し付けるのではなく、場所から得るインスピレーションを大事にし、自身の建築の力にしている」と話す。
開館時間は忠泰美術館に準じる