公益財団法人日本漢字能力検定協会が実施するビジネス日本語能力試験(BJT)の2020年度受験志願者実績が発表された。
昨年は世界20カ国で5477人が志願、うち台湾会場の志願者は680人。前年比は世界で108.6%増、台湾で194.3増となっている。全志願者のうち3489人(全体の63.7%)は日本会場での志願者で、対前年比104.9%増だった。海外会場での志願者は1988人。うち、台湾会場の志願者は680人(34.2%)を占めている。
2020年以降、全体ではコロナ禍での受験環境は厳しく、海外留学や海外就職も実現が厳しい状況が続き、日本語能力試験(JLPT)などは過去2回の公的試験が中止に追い込まれてきた。この環境下だが、BJTは2017年より大教室での一斉受験方式を取りやめ、コンピューターCBT方式を採用。個室での方式とし、受験日も本人希望日と教室の空き日が合えば、いつでも受験可能で、結果も即日判明と受験生の利便性に合った方式が歓迎され、コロナの影響を最小限に抑えることができた。
台湾での試験会場は台北、台中、高雄の3都市。台湾人学生の日本留学、日系企業への潜在的な就職熱も依然高いことも台湾で受験者の多い背景にある。最近、日本では春・夏休み時期に東洋大学がビジネス日本語ポイント公開講座を文科省支援で、2万人規模で開催し、多くの台湾人学習者もオンライン参加している。台湾の大学の日語系学科では卒業基準にJLPTと併用してBJTが採用され始めてきたことも、BJTの受験者数アップを後押ししている。
新北市にある私立輔仁大学の清水裕美子助理教授は「これからの日本語教育も歴史、文学、語学などの伝統的領域だけでなくAIプログラミングやビジネス日本語なども重要だと位置付けている」と話す。