会津の郷土写真家、星賢孝さんの写真を通じて只見線の魅力を発信する「只見線台湾写真展」が1月22日、台北南港瓶蓋工廠(台北市南港路二段13号)で始まった。福島県主催。
日台合作映画「青春18×2」 台北・南港でロケ地「只見線」の写真展
初日には、星さんと、福島県只見町で撮影が実施され只見線が登場する日台合作映画「青春18×2 君へと続く道」の藤井道人監督によるトークイベントが開催された。
星さんによると、福島県を走る只見線は、2011年の東日本大震災と豪雨による影響で運行を停止して以来、約11年間にわたって運休していたが、2022年に全線が再開された。当初、只見線の修復には90億円もの巨額な費用がかかると見積もられ、さらにJR側からは年間30億円の赤字補てんを求められた。地元住民も鉄道を利用する機会が少なかったため、復旧の難航が予想され、その存続すら危ぶまれた。しかし復旧作業が進む中、7~8年前から多くの台湾人観光客が只見線を訪れ、写真を撮るために、その美しい風景に魅了されていた。地元住民はその姿に驚き、次第に只見線の魅力に気づき始めた。地元住民の意識が変化したことが、復旧支援の大きな力となり、只見線は再び地域の重要な観光資源として生まれ変わった。今では、只見線は観光地として地域経済の活性化を支える重要な役割を果たしているという。
只見線の最大の魅力について、星さんは「日本の四季の素晴らしさを感じることができる点」と話す。四季折々に移り変わる風景は、鉄道ファンのみならず多くの観光客を魅了し、写真展などではその美しい姿を楽しむことができる。
藤井さんは当時、只見線や台湾台南市のことを知らなかったが、撮影が始まる頃にちょうど只見線の復旧が完了したことを、星さんが撮影した写真が掲載された本で知り、その美しさに感動し、撮影場所として選んだ。藤井監督は「台南市は温暖な気候で、寒冷な只見線との対比が面白いと思った」と述べ、「自分の祖父が台南出身だったこともあり、急きょ撮影地を台南に変更した」というエピソードも明かした。
開催時間は10時~18時(最終日の28日のみ15時まで)。入場無料。今月28日まで。