日系ケーキ店「la vie bonbon」(中山区林森北路)の台湾初のメロンを丸ごと使ったケーキがSNSで話題となっている。
「la vie bonbon」フラッグシップ店では食事も提供
台湾産のメロンを丸ごと1個使ったケーキは、オーナー田中縁さんの「台湾にある新鮮でおいしい果物をいかに面白く使うか。おいしいだけのデザートではなく、サプライズもある遊び心を楽しんでほしい」という思いから開発したもの。
田中さんは日本でJRの駅ナカ商品の開発などを担当していたところ、昨年のアトレ台湾オープンのタイミングで台湾に進出。同店の1号店をアトレに構え、3カ月後にフラッグシップ店を中山区に開いた。台湾進出の約2年前から台湾人の味覚、嗜好(しこう)に合った商品開発や食材選びを行ったという田中さんは「台湾人は甘い物、しょっぱい物への抵抗感が強いため、当店のケーキは甘さを抑え、砂糖の使用量は日本のケーキの3分の1。台湾人と日本人どちらもがおいしいと感じられるポイントを研究した。小麦粉と生クリームは日本から輸入、バターはフランスから発酵バターを輸入し、果物は台湾の新鮮なものを使っている」という。メロンケーキには台湾産のイチゴ、キウイフルーツ、マンゴー、メロンなどをミルフィーユ状態でメロンの果実に詰め、季節に合わせた4種類の果物が楽しめるようにした。
フラッグシップ店はセンターキッチンを併設しているため、ランチセットなどの食事も提供している。メインディッシュのパスタは、アマルフィでよく食べられるというレモンのパスタに、台湾のカニのみそと発酵バターを絡ませた「スパゲッティアルリモーネ」と「日替わりパスタ」に加え、台湾に多いベジタリアンにも食べてもらえるようにトマトと2種のチーズ、イタリアンバジルの「スカルパリエッロ」を常時用意している。今後、ディナータイムは「la vie bonbon ワイン食堂」とし、オーガニックワインと肉や魚などのメインディッシュを用意したディナーも始める予定だという。
特製のパイナップルケーキは「ギフトにも最適」と田中さん。台湾でケーキ店を始める以上は絶対の課題だったというパイナップルケーキは構想に1年半をかけ、試行錯誤を繰り返したという。伝統のパイナップルケーキの好きな部分は残しつつ、サクサクしっとりしたガレット生地にギモーブというマシュマロに近いクリームと3種のパイナップルを混ぜた餡(あん)を挟んだパイナップルケーキは「バターが味の決め手になっている生地には特にこだわった。タピオカのようなモチモチ食感を好む台湾の人に合わせて、弾力のあるクリームを合わせたのも当店ならでは。台湾土産のアイコンになるよう、パッケージは自分でデザインした。台湾の風景や店の看板犬『草莓』を描き、ランタンの中にはこっそりと願い事を込めた遊び心のある台湾らしいパッケージなので土産にも最適」と話す。
店名の「la vie bonbon」はフランス語で「スイートですてきな人生」を意味する造語。台湾人の方にも日本人の方にも、おいしいものを通して気持ちも豊かになり、すてきな人生になるようにという気持ちを込めて、これからも邁進したい」とほほ笑む。10月の中秋節に合わせて、パイナップルケーキを含む焼き菓子ミックスセットも販売している。
主なメニューは、メロンケーキ(1カットNTD250元)、低糖質ケーキ等各種ケーキ(NTD180元~)、ランチセット(パスタ・シフォンケーキ・ドリンク、NTD399元)、パイナップルケーキ(6個入りNTD410元、9個入りNTD590元)など。その他、誕生日ケーキや似顔絵ケーキ、カッティングフルーツも予約制で販売。
営業時間は11時30分~21時。