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対談:台湾トップブロガー林氏璧さん&秋山光輔「台湾からの日本旅行、その現状とアフターコロナ」

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 フォロワー数94万人以上を誇るフェイスブックページ「日本自助旅遊中毒者」を運営し、日本旅行に関するブログではトップクラスのPV数を誇るインフルエンサーでブロガーの林氏璧さん。今年に入ってからは日本現地の情報発信のみならず、元感染病専門医でもあるという立場からブログやフェイスブックでコロナに発信する情報も発信するなどして注目されています。今回は対台湾インバウンド従事者でもある台北経済新聞編集長の秋山光輔が日本旅行とコロナに関してリモートでインタビューを行いました。

林氏璧さんはハチマキペンギンがトレードマーク

日本旅行の達人トップブロガー 林氏璧さん

秋山:まずは、日本旅行の達人トップブロガーになるまでのいきさつと90万人以上ものファンの心をつかむ、林さんなりのコツやポイントがあれば教えてください。

林:台湾でブロガーとしてやっていくのは実は結構大変なんです。でも、僕の場合は妻と一緒に運営し、長女・次女ともにブログに登場します。4人それぞれの年齢別・キャラクターに合った4つの角度から見て紹介できるのが僕の強みです。専門的なメディアやガイドブックが観光地を訪問したら、ネガティブな事は書きませんが、僕のブログはそうはならないように、メディアやガイドブックでは書かれないようなところまで正直に書くのが僕のスタイルです。その方が読者から見ても参考になると思うので…。フェイスブックは今や台湾人が一番好きなメディアですが、フェイスブックファンページの運営を始めたのが早かったのが良かったと思っています。ただ、フォロワー数が多いからといって、その数字だけで評価はできないと思っています。僕のファンは、最初のPIXNET(台湾版amebaのようなブログサイト)のブログ時代から一緒にフェイスブックや今のブログに移動してきてくれました。その長い歴史の中で大勢のファンがどのような情報を欲しているのかを観察し、フェイスブックページを運営するよう努めています。

秋山:なるほど、それで長期にわたってファンの熱烈な支持を維持できているんですね。例えば、台湾の皆さんに日本の有益な情報を発する際には、私が運営しているインバウンドマーケティングを行っている会社、カケハシからも、頻繁に仕事の相談をさせてもらってますが、これまで台湾の読者から一番反響が良かった内容はどのようなものが多いのでしょうか? また、林さんのファンは林さんのどんな情報を特に楽しみにされているのでしょうか?

林:実は、日本観光に関する案件の話を頂く度に、読者が興味を持てる内容かどうかでその案件を受けるべきかどうかをまず考えて取捨選択しているんです。読者の反響がいいのは、やはり台湾で一定の知名度がある場所です。大阪の心斎橋・道頓堀と、台湾からの直行便の無い田舎のとある町、2泊3日の旅行の案件。読者の反応がいいのは大阪です。日本旅行リピーターの約80%は東京や大阪に行く機会が多いので、すぐに私の記事をメモって次回行こうとしてみる。辺ぴな場所の記事を書いても、知名度の低さやアクセスが不便な場合は反応をなかなか得られないこともあります。でもそのような場所の場合、自分自身で挑戦してみたい気持ちもあります。辺ぴな場所ほど、どんどん情報を蓄積させていって知名度を上げたいですね。例えば東北地方は、震災前は台湾での知名度は低かったんです。旅行者も、知らない場所にはなかなか行く気がしなかったようです。ただ、政府などが費用を投じて、台湾の旅行博に出展したり、街なかに広告を出したりしてPRするようになり、メディアを招聘(しょうへい)し始めた。それにより、震災から9年たった今は東北の知名度が台湾で上がっています。旅行会社とタッグを組んだのも大きかったようです。例えば秋田県の内陸電車はツアーの団体客を送り込み、その団体客らのSNS投稿や口コミで知名度が上がり、個人旅行客が行き始めました。地方自治体、旅行会社、航空会社がタッグを組んで旅行客を固定的に送り込むのもポイントです。

秋山:では、田舎や地方都市は何をするべきでしょう?

林:やはりアクセスの利便性を上げることですね。日本の地方都市はレンタカーの利用をアピールしていますが、実際にレンタカーを利用する人は多くないんです。例えば北九州市はスターフライヤー社が桃園空港と北九州空港の直行便を飛ばしています。コロナ前、座席はほぼ埋まっていて、そのうち70~80%は団体客でした。北九州もレンタカーを推奨していますが、実際に飛行機を降りてレンタカーを使う人は2、3人しかいないということもザラにあるようです。沖縄や北海道は車無しでの旅行はほぼ無理と考える台湾人が多いようでレンタカーを利用しますが、それ以外のエリアは、電車で移動したがる傾向にありますね。僕自身も新潟の妙高高原に行った際にはJRパスと提携しました。すごく便利でした。

元感染病の医師という立場からコロナに関する日本旅行情報発信

秋山:普段は、日本に関する有益な情報をブログやSNSで発信されていますが、今年に入ってからコロナの流行が始まり、元感染病の医師という立場から沢山のコロナに関する情報を発信されていますね。コロナの影響で今後台湾の方の日本旅行に対しての考え方や趣向が変わる可能性はあると思いますか?

林:これは日本に対してだけでなく、全世界的に見ても、台湾人は「ワクチンができない限り、さまざまな宣言や制約が解除されてもコロナが収束したとは言えない」と考え、第2波、第3波を恐れています。台湾はビジネス面での国際交流を重視している傾向にありますが、日本は観光を重視した国際交流が行われていると感じます。台湾から日本へは、まず移動を必須とするビジネスに関わり人の行き来から始まり、安心感を得てから徐々に観光客が訪れることになると思います。台湾が今回コロナウイルスの封じ込めに成功したのは入境者への水際対策が要でした。ほとんどの感染者は国外からの入国者で、経路不明の感染者はわずか10例。更に国内新規感染者が56日間0になって初めて様々な制限が解除され始めました。日本のみなさんに理解してもらいたいのは、台湾は政府と国民が一体となり旅行におけるルールを厳守していることです。もしも渡航先の各国で新規感染者0の状態が長く続いていなければ、制限の解除は難しいでしょう。旅行に行き、台湾に戻ってきてもまた14日間隔離されるという状況は「これまで通りの普通の旅行」とは言えません。東京の小池都知事の「ウィズ コロナ宣言」のように、コロナウイルスと共存していくための政策というのは台湾の進む方向とは違うと言えるでしょう。そのため、比較的コロナのコントロールが出来ている沖縄や関西などのエリアから開放していった方がいいと私は考えます。

アフターコロナの展望

秋山:では、日本への旅行が再開されるであろう、コロナ終息後の明るい未来についてお聞きします。日本への外国人観光客数は私が台湾に住み始めた10年前の2010年の860万人と比べると、昨年2019年は3200万人と約4倍に増えています。コロナの関係で2020年の日本政府の目標だった4000万人は難しそうですが、当面の目標は4000万人だと思います、しかしフランスやスペイン、米国などを見ると、年間の外国人観光客は8000万人近くいます。今後日本が(8000万人クラスの)世界でもトップクラスの観光立国になるために必要なことは何だと思いますか? 日本はそのようになれると思いますか?

林:ヨーロッパの場合は陸続きですので、隣国からの旅行者等を入れるとどうしても累積人数は多くなります。日本や台湾のような島国は現実的にはなかなか難しいと思います。やはり遠すぎる場所には行きにくいと思うので、日本の場合は西側にある隣国、台湾・韓国・香港・中国がキーとなるでしょう。タイやマレーシアもここ近年増えていますね。中国はやはり人口が多いので、1人1回しか来ないにしてもずっとこの先も人は来続けると思います。台湾も、一時は中国人の団体旅行者が大勢来て、そのための土産物屋やレストランもたくさんありました。しかし、近年は旅をカスタマイズする人が増えてきました。「より深い旅行」を求めるようになってきています。この旅行客たちは、コロナ終息後には自分たちでカスタマイズして郊外や地方都市、田舎に行くでしょう。

地方都市が今から取り掛かるべきこと

秋山:やはり注目は地方都市なんですね。東京や大阪など都心部への観光客が急増する中、次の課題は地方創生だと言われています。都心部に集まった観光客をいかに地方に分散して収益と人を分散できるか。一日でも多く宿泊していただけるか、地方コンテンツの創生などがポイントに挙げられますが特に台湾の場合、日本との距離が近く気軽に行けることから宿泊日数などは他国に比べると4~6日と短めです。我々インバウンドに従事する者として、「さまざまな日本を体験してもらいたい」ことからこの地方創生には力を入れていきたいのですが、地方をPRする上で何かご意見があれば聞かせてください。例えば、JTBのラゲッジフリーサービスのようなものもあり、大荷物を抱えずに都市部を旅行してから地方に足を延ばすのも便利になってきたりしています。今後の地方のPRの手法についてと地方での日本人側の受け入れ体制の両方の視点でご意見をお聞きしたいです。

林:コロナ終息後にはインバウンド関係の広告が大量に出てくることが予想できます。なので、今の時期を利用して、例えばYouTubeなどPRのチャンネルを増やしておくことがポイントかと思います。今でもいろいろな人が私に「〇〇地方の××旅館は倒産するのか?」などと尋ねてきますが、オンラインでPRを続けておけば、台湾人旅行客も倒産の心配をせず安心してコロナ終息後の計画を立てられます。日本旅行は、韓国や中国、東南アジアの地域の人から行き始めるでしょう。そして、台湾人はそれら他国の旅行者を観察してから行くと思います。

秋山:なるほど、地方は、このコロナの閑散期のタイミングでさまざまなPR施策を行い、迎える準備を進めていれば、終息後にまた日本に観光客が来るタイミングで好スタートを切れるということですね。ちなみに、林さん自身はコロナ終息後まず日本に行って最初にしたいことは何ですか?

林:東京に行ってラーメンを食べたいです。今も写真を見るだけで、ウズウズしてしまいます。

秋山:やはり食べ物は旅の原動力になりますよね。この度は時間を頂きありがとうございました。アフターコロナに向けて準備すべき最も重要な対策として、まずは「安全・安心」を伝えることだと実感しています。少し長めの旅マエ施策だと捉えて、旅行が開放される前からオンラインで「日本の安全性」を発信し続けることが重要ですね。

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