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【茶道を通して日本文化を伝える】:表千家不白流師範 佐藤宗翠さん

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 台北市中山区で1027日、表千家不白流の茶道教室が行われた。

 講師を務める佐藤宗翠さんは、2016年にオープンした「錦水Taipei」(台北市中山区)でおかみとして勤務。食事の最後には佐藤さんによる点前を披露し、日本文化を伝えていた。2017年に仕事の傍ら休日に茶道を教え始め、今年、茶道名「佐藤宗翠」として正式に法人化した。茶道教室は現在、生徒が18人ほど。2040代で8割が台湾人。

佐藤さんは「日本の一般的な茶道教室では、最初の準備や最後の片付けをしないことが多い。しかし、『一から十までちゃんと知ることで、一人一人が自分のお茶の世界を持つことができ、独り立ちすることができる』という考えから、稽古は畳の掃除で始まり、最後の片付けまでを生徒自身にしてもらっている」と話す。

今回の稽古が10月だったため、「なかおき」という夏の間客から遠ざけていた火(風炉)を、肌寒くなってきた季節の変わり目に少し客のほうへ火を寄せるため風炉を点前畳の真ん中に据えてする点前だった。「なかおき」は秋から冬に変わる10月のみ行い、「名残り茶」ともいわれる。

佐藤さんは「台湾は温暖なため、季節の移り変わりをあまり重要視しない。そのため、あえて日本の四季や気候に合わせて道具や稽古の内容を変えている。茶道に触れることで、季節感を感じ日本文化をより深く知ってもらいたい」とほほ笑む。

生徒の一人、陳佩吟さんは陶芸家で、茶道陶器を制作している。今回の稽古では陳さんが制作した茶わんが使われた。陳さんは大学で陶芸を専攻し、大学3年のときに茶道具の制作を始める。今年8月には中山「Link Lion」(台北市中山区)で陶器創作展を開き、日本の着物雑誌「きものと」に掲載された。

出典:雄獅星空 Link Lion

陳さんは「大学の時、日本に短期留学して茶道を体験した。それをきっかけに茶道陶器に興味を持ち、自分で制作するようになった。より深く茶道を知るため、佐藤先生の教室に通っている。可能であれば来年、日本に行って陶芸を学びたい」と話す。

台北世界貿易センターで10月に開催された「台北国際観光博覧会の展示会TTE2021)」では、日本政府観光局(JNTO)のブースステージで茶道体験を行った。

講師アシスタントの楊琇宣さんは「台湾人にとって、茶道に触れるだけでなく実際に点前を披露できる機会は少ない。私たちにとってもとてもいい経験で、今後の稽古の励みになる」と話す。

佐藤さんは「コロナの影響もあり、3人限定で来場者にステージに上がってもらい抹茶と和菓子をお出しした。観客にも目で楽しんでもらうため、茶道具だけでなく和菓子も季節を感じるイチョウにした。生徒にとってもいい経験で、茶道を通して日本文化を自分のものにしていってほしい」とほほ笑む。

「今後、台湾の茶道教室が確立し、生徒が先生になれるようになったら、香港やヨーロッパで茶道教室を開いてみたい」と意気込みを見せる。

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