オンライン調査会社「東方線上(東方オンライン)」消費者研究グループが12月8日、11月の消費者行動の調査結果を発表した。調査期間は11月1日~30日。調査対象者は20~59歳の東方オンラインのウェブ会員1000人。
2020年の消費能力に関する調査では、消費者が自分の支払い能力について自己評価を行ったところ、今年4月(台湾国内での感染状況が落ち着き始めたころ)は全体の3分の1の消費者が「慎重に消費している」「出費を抑えている」と回答し最も高い数値を記録。2020年第4四半期に再度市場全体が保守的になり、消費欲求を抑制していて消費能力が高いと自己評価した消費者も同様に減少している。
コロナウイルスの影響が他国と比較すると影響が少なかった台湾経済は、より国内需要、特に消費者自身の収入や支出に頼る必要がある。6月・7月は国内での感染状況が落ち着き、「収入に対して不安を感じる」と答えた消費者の割合は減少した。「最近の支出額を減らしている」と答えた割合も減少している。11月に行った最新の調査では、収入に対して不安を感じている消費者と支出額を減らしていると答えた消費者の割合が再び増加した。
電子レシートによる販売分析では、ECサイトの普及とコロナウイルス感染流行の影響によりオンラインチャネルが占める市場規模が拡大し続け、現在では約2~3割の市場売上額を占めている。1年前のFMCG商品と比べ、「ケア用品」「家庭用清掃用品」「紙類」「衣料用洗剤」のどの項目でもオンライン売上額は全体の2割以上に達している。その中でも「ケア用品」では特に成長が見られ、オンライン売り上げが3割近くも占めている。
オンラインチャネルが重要視されていくにつれ、ケア用品D2Cブランドが急成長。一般ケア用品市場を例とすると、「純ネットブランド」の数が年々増加しているだけではなく、オンラインチャネル売り上げが全体の50%以上を占める「汎ネットブランド(オンライン売上高が全体の50%以上を占めているブランド)」の数を見ても成長しているのが一目瞭然だ。6月のMATは汎ネットブランドの数が全体の約半分を占めている。ブランドチャンネルの経営戦略に関して、ネットオリジナルブランドはネット上で話題となり、販売規模が順調に拡大しながら、実店舗にまで勢力を伸ばしている。
ネットブランドの勢いは止まらず、アフターコロナ時代における消費スタイルの変化もあって、実店舗は勢いを失っている。ブランドは新たな道を見出すため、オンラインへ移行している。TTMやMKUPは積極的なECサイトの運営により大幅に成長している。「これからはオンラインチャネルの重要性が増すだけではなく、ブランド全チャネルにおけるリアルとバーチャルの連携がキーワードになる」としている。
家庭内の環境にも変化が生まれている。農業委員会が発表しているデータによると、ペット飼育数は2017年までで既に251万匹に達している。一部のメディア報道では、2021年にはペットの数が15歳以下の子どもの数を超えるともいわれている。
東方線上が11月に行った最新の調査データでは、41%の家庭でペットが飼育され、犬と猫が最も主流だった。猫を飼育している割合が犬の割合とわずか4%の差のみで、2017年統計時よりも差は縮み、飼い猫の人気が増している。「ペットの存在」について、55%が「生活におけるパートナーのような存在」、42%が「生活のストレスを和らげてくれる存在」と回答している。
ペットの飼い主が最も優先する項目は食事面での健康。これに定期的な健康診断、レジャー活動が続き、食事面の健康以外の割合が全てほぼ同じという結果に。飼い主はペットをさまざまな側面からきちんと世話したいという気持ちを持っていることが分かる。
国内ユーチューバー人気ランキングは、「木曜4超玩」が「千千進食中」を抑え1位に。その他「莫彩曦Hailey」「這群人TGOP」「阿滴英文」など上位5位のチャンネルは、ここ数カ月間、同じ顔ぶれがトップ争いをしている。
消費行為に関するデータとして「11月に消費者間(会話、メッセージアプリ、SNSなど)で自発的に友人らにシェアされたホットな話題のテーマ」トップ5は、「外食・グルメ」(45%)、「投資・財テク」(35%)、「買い物の割引やキャンペーン」(32%)、「国際情勢」(27%)、「娯楽・映画・ドラマ」(23%)と、先月と比較して大きな変化は見られない。
その他、「スマホ決済の使用」「ライン購買グループの利用」「TikTokやインスタグラムのストーリーのアップ」「美容治療」などの消費行為は横ばいの結果となり、配達サービスの利用は4.6%減少した。